隠れ里のラピュタ、見つける。かつての王の墓。鎌倉が見える丘で、かれこれ600年眠っている。丘のてっぺんに明らかに手の加えられていない常緑の広葉樹(鎮守の森)が植わっており、そこに地元の人でもほとんど知らない、もちろん地図にも描いてない墓があった。

空にちょこっと近い里山、知られざる神奈川県大井町の丘について、かれこれ半年近く取材を重ねてきたが、地域仕事にありがちな、毎度毎度車で行ってしまうため、点と点でしか見えてこないものがあり、今回丸2日、できる限り車を使わずに、小田原から大山を目指すという設定で、旧大山街道をなぞって歩いてみた。

2日目も夕方迫る午後15時過ぎ、終着地点付近の丘『大山も丹沢も富士山も箱根も小田原も横浜まで360度パーフェクトに見える景観』の尾根沿いを歩き、もはや私有地ではないかという農機具が雑多に放置された畑を突っ切った先にそれは出てきた。
この地域は市街化調整区域という名の下に余所から人が入ってこれなかったり、旧街道筋にやたらとお地蔵さんやら道祖神やら石碑やら、樹齢何百年の大きな木がまだ残っていたり、全体的に中世のまま、止まっているようなところがあるのだが、その秘密の中心に出くわしてしまった感じ。

ここまで来ると、もはや受注案件の領域を越えて、半分趣味の世界につっぱしっているけれど、なんだか風が吹いていて、呼ばれているのは間違いなさそうである。


頂上付近、鎮守の森の下にあるお墓と木彫りのお地蔵さん。まったく人が入っていないわけでもなく、地元のNPOが少しずつ手入れをしているそうな。