いや、そんなものは無いのだが、レンズ越しに映り込んでくる緑色の神々しさよ。およそ20年ぶりの秩父で茶摘みから製茶して飲むまでを一通り体験。摘んだその日に30秒ほど蒸して、何人かで一斉に軍手でこすってこすってこすること1時間ほどで、あの見たことのある煎茶の形になって、すぐ飲める。蒸すプロセスをカットして1日発酵させると紅茶になるらしい。

埼玉県の奥秩父栃本集落。東京都心から車で2時間。奥多摩もそうだがこのあたりの山は急峻で、傾斜角約45度はあろうかという急斜面の端っこに、生えている茶の木は、おそらくたぶん土砂の流出を防いでくれるんだろう。それもそのはず茶の木は椿科で、三陸沿岸部に植えられている椿と同じ。そうか緑茶とは椿の葉っぱの新芽を飲んでるようなものかと思うと、照葉樹林文化の文脈がまた一つ繋がってくる。

そしてあのオオカミの護符が。多摩川流域農業文化圏の象徴がオオカミだったらしい。1910年を最後に絶滅。武蔵野の形跡探しは続く。