熊本県阿蘇地方の持続可能性を前提にした地域活性化の下調べ、一泊二日の旅。阿蘇黄土と呼ばれるこの土地独特の土の採掘場にて。この錆を生み出したのは褐鉄鉱とも呼ばれる土。6千年前まで湖だった阿蘇谷の最も低い地区に蓄積されている。地下のマグマの熱で岩石から溶け出した鉄分が水に染みこみ、太古はベンガラの原料として、戦前は八幡製鉄所に送られ製鉄に利用されていたが、現在は水質浄化(浄水場の脱硫剤として)脱臭剤(ペットフードに混ぜるとフンの匂いが消える)畜産用飼料(牛や豚、養殖魚の成長が早くなる)肥料(植物の生長が早くなる)などなど、魔法の土らしい。国内ではここでしか採れない自然資源。今も更に湧きだしているのと、リサイクル可能であったりと枯渇の心配が無い。





阿蘇黄土は水として湧き出ているものなので、その周辺に飛び散った鉄分が、ああいう色を出しているんだけども、実際行くと鉄錆の臭いと、盆地構造的な寒さでかなり過酷な現場。


阿蘇黄土の池。この周辺の水路も田んぼもみなこの色になるそうで。


雪の阿蘇。九州って雪が降る所だったんですね。一面のセピア色の草原かとおもいきや、雪の白と常緑樹の濃い緑が混ざって、トリコロールカラーの山々。先週の南三陸といい、今年は普段雪がお目見えしないところでも雪景色なので得した気分である。

九州はやっぱり本州とはかみさまがちがう、ような気がする。圧倒的な火山。火のかみさま。カルデラ地形。阿蘇だけかとおもいきや、鹿児島県における桜島と錦江湾の関係性もカルデラ地形だったり、霧島の周りも小さなカルデラ地形だったり、沖永良部島付近の海底にある海中のカルデラ地形から山口県までナナメに一定間隔ずつのカルデラ地形の輪っかが並んでいる。この形ができあがったのはだいたい6万年前だそうである。当時、九州のあっちこっちでボコボコと噴火だらけ。岡本太郎が描きそうなバクハツする世界が広がっていたんだろう。そんな面影がはっきりと地上に見えるのが、阿蘇カルデラ地形であり、人々はマグマの真上に住んでいる。そしてそこに偏在しているかみさま達は非常にアクティブである。


現在阿蘇への唯一の入り口である二重峠


3月に野焼きするまでは毛皮を被っている


ホテル部屋より外輪山。最近素晴らしいビューの宿が三連続


あか牛。こっちではべことは言わない。韓国系褐毛和種


阿蘇国造神社の杉。推定樹齢約1000〜2000年・・・、と、言われているが。とにかくでかい。杉って、こんな大きさになるものだったのか。1991年の台風19号で倒壊、上屋をかけ部分的に保存している。この地域において古代人達が最初に住み着いた場所がこの神社のある、外輪山の北東にあたる山のへりのあたり。

東北では、大和朝廷の支配と、被支配側である蝦夷の対立構造みたいなところから、歴史の文脈が読み解けるのだけれど、九州となると、大陸から渡ってきた渡来人と、元々土地に住んでいた人達、という構造があるのかもしれない。なんとなくここは、渡来以前のかおりがそこかしこから漂ってくる場所であった。それにしても神話ってよく解らない。景行天皇18年につくられた、って、西暦88年なのだが・・・。

https://ja.wikipedia.org/wiki/手野のスギ


切り株部分


こっちは同じく山のへりにある産神社(うぶじんじゃ)の杉。樹齢約300年にて健在。枝振りが見事。


産神社の動き出しそうな300年の杉の隣にある池で、白い水が湧き出ることがあるそうで。それが由来で乳に見立てて安産祈願の神社になっているけれど、本来は火山活動の一部なんだろう。ここでは神事にまつわるあらゆることが火山と共にある。(写真は2010年に湧き出たものらしい)


以上一泊二日。来月に第2回か。とにかく羽田空港が遠いのが難・・・。