今期朝ドラ67話目まで見続けて、やっと登場した花山伊佐次、こと、本当は花森安治さん。内務省で標語をつくっている、と、ドラマの中では表現されていたけれど。あれが当時「大政翼賛会」と呼ばれていた戦争遂行を鼓舞する国民運動推進機関において、国民からの公募による標語を選んでいる「欲しがりません勝つまでは」は、その中に公募されていた標語の一つだった。・・・とは語られていないけれど、まさにそんなことを彷彿とさせるシーンから登場した。(大政翼賛会は戦後解体された後、株式会社電通の原型となった、とかなんとか。そして大量に物を売りまくる。)
戦後その反動から一人一人の暮らしを大事にしていきましょう、っていうことで「暮しの手帖」をつくっていたんだという認識である。主人公の「とと姉ちゃん」が、そのトリガーになる、というお話だと思われる。ここまで66話、いつ見るのをやめようという思いを止まらせてきたのは、ここからの本筋のための、長い長い長すぎる助走だった、と、思いたい。
さて。花森安治さんの、お名前を初めて耳にしたのは、10年ほど前に、あるインタビューに出くわしたときのことでした。花森安治さんについて詳しいという天野祐吉さんに、マエキタミヤコさんが当時のことをサシで聞き出す、という、当時、わけも分からないままに記録を取っていたけれど、10年後のいま、自民党による憲法改正を視野に入れた参議院選挙を目前に、この記事を読むとリアリティがまるで違って見えてくる。
http://tamachan.jugem.jp/?eid=10
彼の登場を、参院選告示にぶつけてくるなんて、NHKの中にもまだまだ気骨がある人物が居るんじゃないか、と思うのは考えすぎなんでしょうか。
天野祐吉さんは2013年に亡くなり、とと姉ちゃんこと大橋鎭子さんも同じ年に亡くなり、毎度毎度、どんどんと選挙の重みが増していくように感ずる。いや、むしろ代議制民主主義なんて、そろそろやめるべきなんじゃないかとすら、思えてくる。
この投稿へのコメントの RSS フィード。 / TrackBack URI