松島湾。日本三景なんてなんぼのもんやと思っていたけれど、参りました。この海はいままで行ったどこの海ともまったく違って、どこをどう切りとっても絵になるのだ。

松島をどこから見るのが美しいか?それは、塩竈神社からでも、観光船からでもなく、漁船が良いだろう。真冬のキリリと冷たい空気の中で360℃遮るもののない視界の眼前に見えてくるのは、岩でできた島々の上に生える松。洋上に並ぶ盆栽が連続する風景。島の岸壁ぎりぎりまで近寄って島の付け根部分に生えているアカモクと海苔の質感。遠くに見えるワカメ漁船と、その奥の仙台平野と雪の被った蔵王山。

海苔養殖場の竹のクイの林に差し掛かったときだった。漁船がカーブしたときに生まれた波で、水面がわずかに盛り上がった部分の水の質感は、真冬の透き通った空気を突き通ってきた晴天の空を移し込んで、深い深い透明感に吸い込まれるようだった。基本的に船というものにめっぽう弱くトラウマになりがちなのだが、ここはもう一度乗りたいと思った。