倉石牛。いわゆる黒毛和牛だが、正面からよく見ると多少青と紫がかっている質感、去年の赤豚もそうだし、これまで乗ってきた漁船の上で見てきた魚も、いきものはみな生きている間はなにかしら輝きを放っている。(魚の場合、市場でセリにかけられている頃は、既に光を失っている)この青紫の牛の顔面を、入稿間際の最後の最後で表紙を入れ替えた。牛がたまたま一瞬こちらをむいて静止してくれたおかげ。ブレることなく毛の一本一本まで解像され、額に丁度上手い具合に三文字が乗っかった。

取材当日の青森はまだ冬と春の境目のセピア色の世界。4月中旬現在でもまだ桜は咲いていないが、来月号の桜鱒も青森なので、今年あともう一回、下北半島での花見が残っている。